Liar





「……イチャつくのは結構だけど、そろそろ僕のことも気にかけてくれない?」




声がしたほうを振り向くと、雨水が苦々しげに私たちを眺めていた。




「それに犯罪だよ、藍。未成年と成人は関係を持ったらいけないんだ」




「知ってるよ。どっち道俺は犯罪者だろ」




「それもそうか」




雨水はそう言って後ろに倒れ、大声で笑い出した。




猟奇的なものではなく、どこか清々しい声だ。





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