Liar
それと、あとでわかったことなのだが、私を殺すように依頼したのは雨水だったそうだ。
「大切な子が苦しんでるから、痛くないように殺してやってくれって。
アイツが霜月に惚れてるっていうのはわかってたからね。高い報酬ももらえたしいいかなぁって……」
「それなのに殺さなかったんですか?」
そう尋ねると、藍は照れるように鼻をかいた。
「殺せなかったよ」
「なんで?」
「可愛いから」
「客観的価値観で仕事を放り出したんですか」
「穹はどうしてこう……あー、もう!」