Liar
「あぁ、間違えてはないよ。俺をそこらへんのバカと一緒にされちゃ困る」
「いえ、特にバカと称したわけではありませんけど……」
なんでもいいから事情が知りたい。
浮かぶ疑問符を頭の隅に押しやり、警戒を灯す。
スッと笑みを浮かべれば、少なからず冷静さを取り戻せた。
「それならなぜここに?私の記憶が正しければここは私の部屋なのですが」
すると男は欠伸交じりにとんでもないことを言った。
「知ってるよ。君を殺しに来たんだ」
悪びれもせずに言って見せるのだから慣れたものだ。