Liar
そんな唯一無二の男友達にまでぞんざいに扱われるとは。
自分の周りに頼れる人間がいないという事実を見せつけられているようだ。
「俺の姉貴だって悲惨だ」
「へぇ。優が対処するんですか?」
「親父はほとんど家に帰ってこないからな」
「あー、そうでしたね」
ぱっと見共通点など見当もつかない私たちだが、親なしという同じような境遇をきっかけに仲良くなった。
よく私たちを見てつき合っているなどという勘違いも甚だしいことを言いだす輩もいるが、
そんな複雑な感情のもと二人でいるのではない。
もっと単純に、気が合うから。
ただそれだけの理由で、私たちは友達という枠の中での関係を築いている。