Liar





―――キーンコーン、カーンコーン




昼休みの終わりを告げる予鈴が鳴り響く。




それを片耳に捉えながら、私は立ち上がった。




お昼は屋上で食べることが多く、今日も例外なく屋上に来ているのだ。




「さて、行きましょうか。午後の授業が始まりますよ」




「……そうだな」




季節は初夏。




日差しはまだそこまで強くはないものの、暖かい風が頬を掠めていく。




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