Liar
「穹、お前はバカだ」
「……それに私はどう答えれば?」
「しょうもないバカだ」
「…………」
授業も終わり、帰り支度を始めていた私の元へ来た優の第一声がこれだ。
わけがわからない。
「……まず、その結論に至った経緯を教えてくださいよ」
「穹、中富の話聞いてなかったのか?」
中富とはクラスの担任の名前である。
彼の話は特別長いと評判なので、大抵の生徒は聞いていない。
だからなんだというんだ。