Liar
◆第二章◆
「え、アイツに会ったの?」
雨水が担任になるということを報告すると、藍は別の意味で驚いた。
真意はわからないが、何か気にかかることがあるらしい。
「そっか……自分で動き出すとはね……」
「何かあるんですか?」
藍と雨水は旧知の仲。
高校の同級生だと以前言っていた。
「いや、穹は気にしなくていいよ。ただ、」
「ただ?」
藍が言い淀むのは珍しい。