Liar
続きを待っていると、藍は迷いを残しながら口を開いた。
「ただ、あんまりアイツには近付かないほうがいい。ていうか、近付くな」
「はあ……」
なんだか釈然としない物言いだったが、はなから近付く気はないので素直に頷いた。
「まぁ、そんなことはどうでもいいや」
藍お得意のどうでもいいだ。
「今日の夕飯すき焼きなんだよね」
濁った眼を輝かせて笑う藍。
それで思い出す。
「……買い忘れました」
あまりに焦っていてすっかり忘れていた。
というわけで今日は外食に決まった。