Liar





『だして!ママ、おねがいだして!』




喉が裂けて血が出るまで叫び続けた。




肉が擦り切れて骨が露出するまで叩き続けた。




爪が剥がれて肉が削れるまで扉を引っ掻いた。




最後には、涙も枯れた。




重く厚い扉を開けるのに、私の体は小さすぎたのだ。




無力な私はなにもできず、




いつか訪れるであろう安息を、




ただただ待つことしかできない。





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