心の薔薇.
そう心の中で言い訳して、俺は屋上に向かった。

いやぁけど、これで今日のテストはなしか…と思いながら、気楽に階段を上ってったら、「うわぁぁ!!」っていう声が階段の下から聞こえてきてさ、びっくりして下を向いたら、なんか、刃物をもったおっさんも俺の登ってる階段を登ってきてんの。

いや…俺、もしかして狙われてるわけ?

そう思いながら、階段をダッシュで駆け上がった。
なんなんだよ、あのおっさん。
なんで俺ばっかり……。
このまま屋上に行ったらあぶねぇ。
そう思って、三年校舎の廊下に曲がった。
しばらくして、おっさんも曲がってきた。
廊下には誰もいなかった。
みんな屋上に逃げたんだろう。

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