心の薔薇.
俺がそう言うと、看護婦は黙った。
俺も黙ってベッドに腰掛け、ただ地面を見ていた。
…しばらくして、母さんの声が聞こえた。
「秀雄っ!?ちょっと鍵開けなさいよっ!」
俺はドアの前まで行き、鍵をあけた。
そこには、いつもと変わらないうっさいけど心配性の母さんがいた。
「本当…あんたって……」
母さんが俺の愚痴を言い始める。
けど、いつもと変わらない母さんを見て、俺はすっげー安心した。
「心配させて、けど、軽い怪我で良かったわ。さぁ、家に帰りましょ…??」
「あぁ…。」