素直になること
授業などあまり聞いていなかった。
分からない訳でもないし。
あたしは塾へ行っている。
その塾は今年から入ったのだがなかなか良い。
授業とか分かりやすいし、学校の先生の話も昔よりだいぶ聞いていなかったのにテストもだいぶ良くなっていた。
…まあ、一番は同じ中学の子がいないのだけどね。
家へ着くとケータイが光っていた。
また男子のイタズラだろう、
あたしは軽い気持ちで、受信BOXのボタンを押す。
するとそこには
差出人-羅斗-
驚いた。
あたしは羅斗のこと忘れていた。
というかムリヤリ忘れさせようとしていた。
今日、そのせいで女子に呼び出しされたわけだし。
何故かあたしはドキドキしていた。
そのメールを開く指の先までもが。
ピッ
あたしの4畳半という小さな部屋だったのでケータイの音が異様なまでに響く。
【件名】無題
【本文】いきなりごめんな。羅斗です。理子は今、メールできますか?
初めてに近かった。
男子からちゃんとしたメールが来たのは。
そもそも、ケータイを買ったのはいじめが始まっていた真っ最中だったので。
あたしはそのメールを確認し、慣れていなかったけど受信した時間を調べた。
その時間はきっかり5:00。
今の時間、6:12だった。
いいのかな。いいのかな。
あたしわかんないよ。
こんなに遅れてから送って良いのか。ちゃんと返信って来るのかな?
気付いて、くれるのかな?
初心者のあたしはなんだか嬉しいような恥ずかしいような気持ちになった。
取りあえず返事をみることにした。
無視するのは、やはりダメだとあたしは正確ではないかもしれないがそう判断した。