いつまでも君を見ている
「よし……」

男は私が大人しくなると、納得したように私たちに背を向けた。

人相はわからないけど、何か犯人の手掛かりになるもの……。

………え……。

あの、腕のタトゥー……。

まさか……!!

無意識に手に力が入る。

そのとき、伊勢谷が撃たれた事を思い出した。

あ、伊勢谷……!!

必死に伊勢谷に近寄った。

「伊勢谷……!!」

今は、気まずいとか、言ってる暇じゃない。

伊勢谷の腕から血が溢れてくる。

……とりあえず……応急処置を……。

ハンカチを取りだし、傷口より心臓に近い部分にハンカチを結ぶ。

なにか、棒みたいな……。
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