いつまでも君を見ている
そのとき、目についたのは机の上にあった、ポスカの太いペン。

あ、あれでいいや……。

「斉藤、ポスカ取って」

「……ん」

ポスカを受け取り、ハンカチの間に挟む。

後は、傷口にハンカチを当てて縛り……よし。

出来た……。

「大丈夫?」

私は伊勢谷の顔を覗き込んだ。

銃で受けた傷が、どれだけ痛いかなんて、そうそうわかりはしない。

これは、誰にとっても痛いだろう。

顔をしかめた伊勢谷を見て、苦しそうだと思った。
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