いつまでも君を見ている
「え?運動出来ないのか?」

「うん。ドクターストップみたいな感じかな」

ふざけた感じで言うと西堀君はステージで座るように言ってくれた。

暇な私は大人しくステージに座り、バスケ部の朝練の様子を見ていた。

こう見てると、運動したくなっちゃう……。

でも、我慢、我慢。

てか、体力落ちちゃう……。

あの男、まじむかつく。

心の中で学校に乗り込んだ男に愚痴を言う。

でも、笑いながら。

真剣に悩んでも意味ないから。

私はそのまま朝練をボーッと見ていた。




そんな私を伊勢谷がチラチラ見ているとも、知らずに。

「部長。失敗するぞ」

伊勢谷は西堀の声でハッとする。

「そんなに心配?」

挑発的に言う西堀の顔には笑みが浮かんでいた。

まるで、俺は負けない、といってる様な目で伊勢谷をみていた。
< 173 / 240 >

この作品をシェア

pagetop