いつまでも君を見ている
もう、なんもされないだろう。

そしたら、男はお母さんを私たちの中から引っ張って壁に叩きつけた。

「……う……」

その後も、蹴られて、お母さんはボロボロになっていく。

「おかあさん、おかあさん」

何度も何度も繰り返し[おかあさん]を言う妹。

そんな妹に苛立ちを覚えた男は銃を妹に向けた。

「ひっ……」

妹が軽く奇声をあげた。

「お前、うるせーんだよ」

ダンッ……

……妹の足が撃たれた。

「茉奈?!」

私は茉奈に近寄ったが、妹は足を抑えて痛みに耐えている。

「あ、あ……」

私は、なにも言えなかった。
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