いつまでも君を見ている
それと、伊勢谷にこんなことを話して良いのかという疑問──。

過去の事を話したのは勿論、混乱していたのも有るかもしれない。

実際、自分を制御出来なかった。

でも、少しだけ、話しても良いよね?という許しの心があった。

伊勢谷のこと、信用出来るから。

だから、大丈夫だよね?

みたいな……。

その日から、訳のわからない気持ちが頭の中をかきまわっている。

モヤモヤ。

イライラ。

ドキドキ。

矛盾した気持ちがたくさんある。

これは、何だろうか。

「篠田?」

「え?」

いきなり顔を覗かれた。

ドキッとする。

これは、ドキドキ。

「……やっぱ、笑わないんだな──」

伊勢谷の悲しそうな瞳が見える。

伊勢谷……?
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