いつまでも君を見ている










***








「……茉奈に、会いたいか?」

義父さんの部屋に入って私は呆然としてしまった。

「…え?」

目の前には椅子に座って何かをしている義父さん。

間違いなく、さっきの声は義父さんが発した言葉だ。

「…茉奈って…妹の?」

「ああ」

後ろにある窓ガラスから太陽の光が部屋に入りこんでくる。

もう、夕刻だから部屋はオレンジに染まった。

逆行で見えないが義父さんは微笑んでいるのだろう。

「なんで…!!居場所、知ってるの?」

「ここだ」

義父さんは机の上を滑らせて紙を私に近づける。

中を開くと、中には何か地図が書いてあった。

「…これは?」

「茉奈の家だ。今は一人暮らしをしているらしい」

茉奈が…一人暮らしを…。
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