いつまでも君を見ている
緊張が走る。

体が強ばり、そちらを見る。

「………驚かせてごめんなさい」

……ボンボンめ……。

出てきたのは同じ学年の女子、峯岸 奈々。

お父さんが会社の社長とかでみんな彼女には逆らっていないとかなんとか。

冷静に私は彼女に問いかける。

「手紙で呼び出したのってあなた?」

「えぇ、来てくれるなんて思いませんでしたわ」

「なんの用?」

「……単刀直入に、昨日の部活がおわる頃、中庭に行きましたよね?」

部活………。

あぁ告白の時の。

「行ったよ?」

「告白現場見ましたよね?」

「見た」

何が言いたいのさ、全然単刀直入じゃないし。

「絵美が告白に失敗したからってささやかに笑ってるなんて、どういう神経をしているのかしら」
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