いつまでも君を見ている
藍が心配そうに私の顔を覗きこむ。

私は、ジャージのポケットの中を探っていた。

ない……。

「部室に携帯忘れた……」

「……未菜ってたまに抜けてるところあるよね」

藍、失礼だよ。

栞那は、笑いすぎ。

「取りに行ってくるから先に体育館行ってて」

私は進んでいた方向と反対に体を向け、走り出す。

「わかったー」

少し大きな声で言った藍の声が聞こえた。
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