いつまでも君を見ている
調子になんか、乗ってない。

無意識に手に力がはいる。

「てか、関東大会行ったって、どうにかなるって訳でもないじゃん」

「わかるー」

放心状態の私は壁に寄っ掛かかったまま、ドアの向こうの会話を聞こえなくなるまで聞いていた。

会話が聞こえなくなると、私は魂が抜けたように、その場に座りこんだ。

………。

あ、だめ、だ。

[チッ……役たたずが]

[どーせ見てたって、証言出来ないてすよ]

[ま、当然の結果ですがね]

[子供の証言を鵜呑みにするな]

過去の、記憶。
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