いつまでも君を見ている
目の辺りを手で触ると、湿っていた。

泣いてたんだ……。

「あ、あれ?あはは……てか、伊勢谷、ここ女子の部室だよ?もし誰か着替えてたらどうすんの」

明るく振る舞う。

心配なんか、させたくない。

「たまたま私1人だったからよかったけど、もし他に女子がいたらどうすんのさ」

「篠田……」

「先、外に出てて。ちょっと汗かいたから、体育着着替えたいの」

伊勢谷の背中を押して部室の外へ追い出す。
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