麗しの恋敵
「…やっぱりおかしい」
学校に着くと玄関に人が集まっているのが目に入った。
普通は登校したらすぐに教室に入るはず。
それなのに教室へ行こうとしない人達。
「…何かあったのかなぁ」
「んー…何か貼ってあるらしいよ」
周りにいる女子がそんな話をしていた。
『何か貼ってあるらしいよ』
確かに彼女はそう言っていた。
更に近付いて様子を見る。と、その貼ってあるものを見て泣く生徒がいた。
良い内容では無いことは明らかだった。
「ごめんね…」
そう周囲に謝りながら集団の前へ出る。
体が前のめりになり、転びそうになる。
ゆっくりと体を起こし、貼ってある紙を見た。
「……え?」
その内容はとても信じたくないものだった。