麗しの恋敵
近くにこれを聞けば分かるよ、とレコーダーらしきものが置いてあった。
ご丁寧にイヤホンが付けてあった。
それにはある意味救われたのかもしれない。
だって1人ずつしか聞けないのだから。
イヤホンを着けてそれを聞く。
『俺がフったんだ』
『…え?』
流れ始めた会話に耳を疑う。
それは私にとってはショックだったあの会話。
そう、昨日の会話だった。
しばらく聞いて違和感を感じた。
間が抜けていたり、よく考えると話が繋がっていなかった。
どうやら相手の良い様に会話が編集されているようだった。
何も知らない、あの場に居なかった人が聞いたら…。
きっと信じてしまうんだと思う。