地味子がモテ子になれるまで
「ほら、サッサと退いてよ。君達スゴい邪魔なんだよ。」
鋭い目つきで
女達を睨み付けると、
一目散にカナメの
元へとんで行った。
「カナメちゃーんっ」
さっきのブラック壱瑚は
どこに行ったのか、
天使のような笑顔を見せ、
カナメの名前を
愛しそうに呼ぶ。
何か、ムカつくんだよな。
「何で僕等を避けるの???」
首を傾げ少し
怒ったように
壱瑚がきくと、
カナメは顔も
あげず無視をした。
「カナメちゃ……」
「おいって、きいてんのかよ」
千歳の勘にさわったのか
カナメの腕を
掴んで立たせる。
カナメが
びっくりして顔をあげた。
その瞬間カナメは、
ヒドく顔を歪ませ
一筋の涙を流した。