地味子がモテ子になれるまで
親が仲がよくて
小さい頃からの
知り合いだった。
だけど
俺達3人は
仲が悪かった。
いつも
張り合って…
だけど、
いつも一緒にいた。
きっと
心のどこかでは
仲良くしたいって
気持ちがあったんだと思う。
そんなとき
同い年ぐらいの
迷子の女の子がいた。
その子は
とても可愛くて
とても寂しそうだった。
「どーしたの???」
壱瑚が心配そうに
話しかけたのを覚えている。
「パパとね、ママがね、いっつもケンカすの…だから外にきたんだけどね、ここ、どこかわかんない…」
「ふーん、じゃあ、お前のお母さん達が来るまで遊ぼーぜ」
空海が言った。
この頃の空海は
俗に言う"悪ガキ"
言葉遣いも悪く、
いつもどこかに
絆創膏を貼っていた。
でも、きっと
空海は空海なりに
気を使ったんだろう。
「…お前じゃないもん、カナメだもん」
そう、この
女の子がカナメだ。