地味子がモテ子になれるまで





「…お邪魔します」


あの後、
結局私は空海くんの
家にお邪魔することになった。



「狭いけど、我慢しろよ」


空海くんは

去年から
一人暮らしを始めたそうだ。


高校に行きながら

モデルと
バイトを掛け持ちして。


すごい、尊敬するな。


私にはきっと
一生無理だと思う。



「で、何があった?」



いきなりの
質問に肩が跳ねる。



「何って…何ですか?」



わかってるんだけど、
わかってないふりをした。



「…なんで、家でたんだ?」



私の目の前に
腰掛けながら尋ねる。



「居づらかったから…です」



素直に言った。


嘘をついても
意味がないし…。


「どうして?」


私の答えに
納得いかないのか、

それ以上の
答えを求める空海くん。



「私、…わたし、」



いらない子だから―――



言葉がでない。


軽蔑されそうで
怖くて、泣きそうで。



「カナメ、大丈夫だから。」



空海くんは優しく、
優しく頭を撫でてくれた。




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