地味子がモテ子になれるまで
1回切れた着信は
10秒後ぐらいに
また鳴り始めた。
「千歳ー、貸して♪僕、女の子っぽい声だからカナメちゃんの友達として出るよ★」
壱瑚がそう言ったから、
壱瑚に向かって
携帯を投げる。
ピッと
電子音が響き
スピーカーにして出た。
『カナメ?!!今どこにいるんだよ?!!』
男の声?
「こんばんは♪カナメの友達の壱子でーす♪」
…壱子って誰だよ。
『は?誰だよ?!!カナメは??!いるんだろ??かわれよ』
慌ててるのか、
すげぇ上からだな。
この、ハルって奴。
「カナメちゃーん、起きて」
壱瑚が
カナメを揺さぶると、
目を擦りながら
「まだ眠いですぅ…」
と言った。
…ヤバ。
可愛い……。
電話だよ、
耳元で壱瑚が呟いた。
「んー??だれぇ…」
『カナメ?!!今どこだよ??何で何にも言わずに行ったんだよ!!!』
「いまぁ…空海くん家…?」
あ、言っちゃったよ。
男ん家にいるって…。
てゆうか、誰だよ。
『はぁ?!!男ん家???母さん達も心配してるって、帰ってこいよ。あんな手紙じゃ納得いかねぇよ』
カナメが
ハッとしたように…
「ハル…」と、つぶやく。
それに少し
苛立ちを感じた。
千歳side終わり