地味子がモテ子になれるまで




1回切れた着信は
10秒後ぐらいに
また鳴り始めた。



「千歳ー、貸して♪僕、女の子っぽい声だからカナメちゃんの友達として出るよ★」



壱瑚がそう言ったから、

壱瑚に向かって
携帯を投げる。



ピッと
電子音が響き
スピーカーにして出た。



『カナメ?!!今どこにいるんだよ?!!』



男の声?



「こんばんは♪カナメの友達の壱子でーす♪」



…壱子って誰だよ。



『は?誰だよ?!!カナメは??!いるんだろ??かわれよ』



慌ててるのか、
すげぇ上からだな。



この、ハルって奴。



「カナメちゃーん、起きて」



壱瑚が
カナメを揺さぶると、


目を擦りながら
「まだ眠いですぅ…」
と言った。



…ヤバ。
可愛い……。



電話だよ、
耳元で壱瑚が呟いた。



「んー??だれぇ…」



『カナメ?!!今どこだよ??何で何にも言わずに行ったんだよ!!!』



「いまぁ…空海くん家…?」



あ、言っちゃったよ。
男ん家にいるって…。



てゆうか、誰だよ。



『はぁ?!!男ん家???母さん達も心配してるって、帰ってこいよ。あんな手紙じゃ納得いかねぇよ』



カナメが
ハッとしたように…



「ハル…」と、つぶやく。



それに少し
苛立ちを感じた。




千歳side終わり




< 82 / 120 >

この作品をシェア

pagetop