地味子がモテ子になれるまで



「俺の奢りだから良い。」


千歳くんが言った。


「悪いですからっ!んと…これまでのお小遣い貯金して…」


ますから。


って言おうとしたのに。


言えませんでした。


あぁ…千歳くん、
もう払っちゃってます。


「奢りって言ってんだから素直に奢られとけ。」


頭をベシンと
一発殴られました。


私は殴られた所を
さすりながら…


「ありがとうございます」


小さく頭を
下げて言った。


「カナメちゃんさー、メガネ外したら?」


壱瑚くんに言われて
慌てて否定する。


「私、メガネないと生きていけませんから…」


そんな否定も虚しく。


私のメガネは
誘拐されました。


「…え、」


「えぇー?!!!」


「…誰、この人。」


それぞれ、
声を発した。


叫ぶほど
私の顔、変ない…?


「返してください、壱瑚くん」


壱瑚くんに
話しかけたはずなのに、

か、堅い?


「カナメちゃん、それは僕じゃなくて電柱だよ」



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