地味子がモテ子になれるまで
マンションを出ると
道が逆方向な私とハルは
何も言わずに別れる。
最初はバイバイって
言ってたけど
この頃言っても返事を
返してくれないからやめた。
「か、な、めちゃーん」
遠くから手を
振って来る黒い影をみる。
「………だれ」
耳は良いけど目が悪い
私はコンタクトをしても
遠くは見えにくい。
「壱瑚だよー♪」
名前がきこえ
小さく手を振り返す。
朝から元気だなー。
半分で良いから
ハルにあげてほしい。