コトバ
★1

「ちーはーるっ♪」


『わっ 健司!?
何するのさ 急に』



突然後ろから抱きつかれて、びっくりする私。


「数学のノート見せて!!」

『またぁ?』


「お願い
このとーり!」

そう言って顔の前で両手を合わせる健司。


そんな姿に私は


『も~
しょうがないなぁ

はい』


ノートを渡しちゃうわけですよ。



「サンキュ!」


そう言って
また抱きついてきた。


『ちょっ///』


「じゃ
後で返しに来るから」


そう言い残し、自分の席に戻っていく健司に、

私の胸はドキドキしっぱなし。





「千春~

相変わらず健司とラブラブねぇ♪」


『なっ//
ラブラブじゃないし!』


私をからかってきたのは 親友の恵里香。

「照れなくたって良いじゃん

あんた達ってうちのクラスの
ほぼ公認カップルなんだから」


公認カップル!!?


『何それっ!?』



「(健司と)付き合ってんでしょ?」

『ないし!』



「へ~

あんまり仲良いから
てっきり付き合ってんのかと思った」


『~っ
とにかく違うから!』




…付き合ってるならいいのになぁ


全力で否定しつつ そんなことを思ってしまう。



なぜなら


私は健司が好きだから。




健司とは委員会が一緒だったことから よく話すようになり、仲良くなった。


きっと

健司は私のこと“友達”としか思ってない。



そう考えると なんか切ないなぁ…




「…はる


千春!



おいっ!!!!」


『へっ!?

なっ 何!?』


「ったく
また自分の世界入ってたわね」


呆れたように言う恵里香。



「もう昼休みよ

ご飯食べ行こ!」


『うんっ♪』



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