コトバ
★3
「私は健司がタイプなんだよね~」
「おぉ!」
「健司はどうなんだよ」
「あ~…
こん中なら
祐美かな?」
その言葉を聞いて
目の前が真っ暗になった気がした。
「ヒュー♪
マジかよ
カップル2組誕生じゃん!
めでたいな~」
えっ
『ちょっ
この中では、ってだけで
付き合いたいとかは…「俺は本気だけど?」
私の言葉を遮って言ったのは、
「千春
俺と付き合って…?」
優斗だ。
『えっ
…と』
ガタッ
「『!?』」
突然立ち上がった健司に
みんなビックリした。
『…け んじ?』
「わりぃ
俺、次の授業あたんだよね
宿題やんなきゃ」
そう言って
出ていってしまった。
「健司
待ってよ~」
祐美がその後を追う。
2人が出ていった後の屋上は
何ともいえない微妙な雰囲気。
そんな中
優斗は言った。
「別に今すぐ返事しなくても良いからさ
考えてみてよ
…俺のこと」
真剣な眼で言われて。
『…うん』
思わず頷いてしまった。
「よしよし!
優斗頑張れよ~
ちなみに俺は利恵がタイプだから☆」
康平が明るく言った。
「はぁ?
ありえないんだけど~」
「えっ
利恵ヒドくない??」
そんな2人がおかしくて皆笑った。
あっという間に 屋上はいつもの和やかな雰囲気に戻った。
康平…もしかして今のわざとかなぁ?
そうやって さりげなく気をつかえるのって凄いと思う。
私は心の中で康平に感謝した。