魔法の言葉
早く目の前から消えて
もらえばいいのに
体が勝手に動いた。

「あんだ、最低だよ。」

あたしは、言った。
母親はいつもと違う
あたしの態度に目を見開いている。

「どうして、そんなこと平気で言えるの!?」

冷静でいなきゃと思うほど頭が混乱して
大きな声を出してしまった。

いつもは、大きな声なんて出さないから
息が乱れてきた。

「もう帰るんだから離しなさいよ!。」

「絶対に離さない。」


つかんだ手に力を入れた。
すると母親は思い切り
振り払ってきた。

それでも離さないあたしの手に母親は爪を立てた。
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