メルト・イリュージョン


「どうしたの?」

「きゃああぁぁ!?」

すると、急に服の裾を捲られ腰に手を触れられたのに、私は悲鳴をあげて飛びすさった。


「な、ななななな……っ…!?」

一体全体、何が起こったか分からない。

顔を真っ赤にして口をパクパクさせた私は、うまく言葉が出てこないもどかしさに、目頭まで熱くなっていくのを感じた。


「どうしたの、それ?」

ところが、そんな私の反応を気にとめる素振りもなく、彼は単刀直入に聞き返して来る。


「…こ、これは……」


……どうしよう…咄嗟に、でまかせが出て来ない…っ…‥


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