メルト・イリュージョン


「へ、へぇ~……鍵穴なんかついているんですか。す、すごいですねぇ~」

動揺が隠しきれず、ほとんど棒読みになってしまう。


ばか!こんなんじゃ、私…バレバレだ!


「知りたい?」

「…へ?」

皿の上にフォークを突き立てたまま、探るような瞳で私の顔を覗き込んで来る彼。


「中に、何が入っているか」

「……!」

駆け引きは、苦手だ。


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