ため息に、哀

そんなこともあり、さらに高橋先輩に興味がわいたある日、同じバスケ部の薄(すすき)が言っていた。


「高橋先輩って、学年で一桁とるぐらい頭いいんだってさ」


一桁っていうのはもちろんテストの点数じゃない。

テストの学年順位だ。

あんなに可憐で可愛くて、優しくて気が利いて筋肉にも詳しいのに、さらに頭まで良いなんて!


帰国子女以外の編入生をほとんど受け入れないこの学校で、それでも途中から入ってきたんだから頭が悪いはずないんだけど。



天は二物どころか五物くらい与えてるなんて、不公平にもほどがある。

すべてにおいて平均点の俺とは格が違いすぎる。



弱点なんてあるんだろうか。

いくらなんでも完璧すぎる。

まあ、絵はあんまり・・・うん、だけど。



しかし俺は、聖母の仮面の裏の顔を見てしまった。


< 14 / 68 >

この作品をシェア

pagetop