ため息に、哀
そんなこともあり、さらに高橋先輩に興味がわいたある日、同じバスケ部の薄(すすき)が言っていた。
「高橋先輩って、学年で一桁とるぐらい頭いいんだってさ」
一桁っていうのはもちろんテストの点数じゃない。
テストの学年順位だ。
あんなに可憐で可愛くて、優しくて気が利いて筋肉にも詳しいのに、さらに頭まで良いなんて!
帰国子女以外の編入生をほとんど受け入れないこの学校で、それでも途中から入ってきたんだから頭が悪いはずないんだけど。
天は二物どころか五物くらい与えてるなんて、不公平にもほどがある。
すべてにおいて平均点の俺とは格が違いすぎる。
弱点なんてあるんだろうか。
いくらなんでも完璧すぎる。
まあ、絵はあんまり・・・うん、だけど。
しかし俺は、聖母の仮面の裏の顔を見てしまった。