ため息に、哀

俺がスクワットをしている最中、隼人先輩が高橋先輩に駆け寄った。

そして。


「今日の練習見ててどう思う?」


と、意見を求めていた。


まさか女バスだけでなく、こっちのキャプテンまで操っていたなんて!

影のキャプテンってやつか。

いや、裏番?

なんでもいいけど。


俺は当然にっこり笑って、今日もみんな頑張ってるね、なんて言う高橋先輩を予想してたわけだけど。



「全然集中してないね。ダッシュ30本ってところかな」


俺の想像どおりの微笑みを浮かべながら、えげつないことを言ってのけた。


ええ、もちろん隼人先輩はその言葉を聞き入れて、全員でダッシュを30本、きっちりやりましたけれども。

ボールを使わない、接触もしないメニューだから、当然俺も走りましたよ。


お、鬼だ・・・・。

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