ため息に、哀


そんな中でも相変わらずマネージャー業にぬかりはなく、やたらと保護者から話しかけられていた。

高橋先輩が気に入られるのは当然だ。

俺は、自分のことみたいに嬉しくて、誇らしかった。




そんな高揚した気分も、長くは続かなかったけど。



「須賀先輩って年越しの時、高橋先輩と一緒に神社に来てませんでした?」


部活を終えて着替えていると、同じ一年の部員の声が聞こえてきた。

その内容に、思わずボタンを留める手が止まった。



一緒に?


神社で?


年越し!?



「え!? ああ、まあ・・・・うん」


その返事に、部室が揺れるほどのどよめきが起こった。


ついに、ついに二人が付き合いはじめたのか、ということではなく。

ついに、絶対不可侵の高橋先輩が誰かのものになってしまったのか、という驚きだったけど。

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