ため息に、哀
笑顔が語る答え
そんな悠長なことを思っている場合じゃなかったんだと気づいたのは、その二日後のことだった。
午後の部活を終えて6時前に俺は学校を出た。
校門を出て数分歩いたところで俺は違和感を覚え、スポーツバッグを探る。
すると、部活中に着ていた服を、上下とも見事に部室に置き忘れたことに気がついた。
どうりでバッグが軽かったわけだよ・・・・。
「ごめん、俺忘れ物したから先帰ってて!」
いつものごとく一緒に帰っていた薄にそう言い、俺は今来た道を走って戻った。
明日も部活はあるからその時でもいいんだけど、暖かくなってきたこの時期に、汗まみれのTシャツを一晩放置しておく勇気はない。
第一、明日の朝じゃみんなの荷物に埋もれて、見つけられない可能性がある。
一度遭難したら最後、卒業まで発掘できないかもしれないのが俺たちの部室。
西陵高校七不思議のひとつに加えてもいいんじゃないか。
あと六つは不明だけど。