ため息に、哀
先輩のマネージャーとしての誇りとか、どれだけ信念をもって取り組んでいるかとか、そういうのを見せつけられた気がした。
自分の幸せを犠牲にしてるようにも思えるけど、それでも自分の正しいと思ったとおりに行動してるんだ。
なんて潔い人だろう。
ちょっと押されたら倒れてしまいそうなほど存在は儚いのに、その芯は強くて、決して揺らがない。
危うさも感じるけど、それでも決して折れてしまわないのは、その心がいつも確かな答えを持っているから。
俺が今まで出会った誰よりも可愛くて綺麗で、でも誰よりも潔くて、芯が通ってて。
こんなすごい人を好きになれた自分を誇りにさえ思う。
高橋先輩を好きになってよかった。
そう思えるって、すごくいい恋愛をしたってことなのかな。
それ以上訊くことは、俺にはもうなかった。
高橋先輩と俺は互いに背を向けて、それぞれの家に向かう。
あたたかくてやわらかい日差しに包まれて、なんだかこの太陽は須賀先輩みたいだな、と詩人のようなことを思った。