ため息に、哀
エンドロールのそのあとに
かくして俺の恋は終わった。
その後の話を、少しだけ。
年度が変わって俺は二年生へと進級し、先輩は当然三年生になった。
4月の終わりの大会の直前、男子バスケ部の中でちょっとした事件が発生した。
大会でもスタメンとして出場するはずだった先輩が、練習中に靭帯損傷という大怪我をした。
試合に出場するどころか、松葉杖なしで歩くことさえできない状態という。
開かれた緊急ミーティング。
誰もが神妙な顔をしていて、不安を隠せなかった。
その中で、ある一人の先輩が、怪我をした先輩 ―稲垣先輩という― を激しく責めた。
もうどうしようもないのだから責めても仕方ないなんてことはわかっていて、それでも想いをぶつけたかったんだろうということはわかる。
それを止めたのが、高橋先輩だった。
「ねえ、待って」
その声は穏やかだったけど、顔は少しも笑っていなかった。
高橋先輩がそのとき、痛みをこらえるような苦しげな表情をしていた理由は、その後に知った。