ため息に、哀

「この中に、高橋先輩以上のバスケの技術を持ってる人はいないんです。先輩は、誰よりもバスケをわかってるんですよ!」

「どういうことだよ」


薄の気迫に押されながらも、さっきまでの怒りがまだ鎮まらない岡田先輩は、棘のある口調で言う。



「紅の魔女って、知ってますか」


反応は、知っていそうなものと知らなさそうなもの、半々だった。

ちなみに俺は、なんとなく聞いたことがある気がするものの、それが何かはわからなかった。



「バスケの超強豪校、皇ヶ丘学園中等部女子バスケ部の、三年前のチームの愛称です。地区予選から無敗で全国優勝を成し遂げたそのチームのスタメン、背番号6番のガードが、高橋先輩なんですよ」


静かだった部屋の中が一気にざわめいた。


俺には若干理解しづらい内容だったけど、つまりこういうことだろう。

高橋先輩は中学生の頃、バスケがものすごく強い学校で、バスケがものすごく上手くて、バスケで頂点に立った。

こんなに簡単に整理してるのに、うまく想像ができない。

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