SOUND
「武田!!お前のせいで逃げられたじゃねえか!」
「あっれー?俺なんかした?」
「〜っ!だぁぁぁクソッ!
おいお前!待て!止まれ!!」
「(無理無理無理無理無理無理無理!ムリ!!)」
寧ろここで止まる人見てみたいよ!と言うか古くない?この流れ!
学校を出て向かうのは自宅。私がいつも歩いている通学路は自分でも思う、面倒な道だって。
けれど私はそれが面倒だから近道をするんだ。
「……っ…はぁ、はぁ…!」
近道…と言っても本当に一、二本道をかえる位。
他の道は何というか……面倒です。はい。
息が切れてきた。全力疾走とか…久しぶりにするんですけど。しかも相手男子だし死ぬ…。
「おい!!だから待てって!!」
「嫌ですっ!!」
「ちょっ…!シバちゃん速いっ!!
そして何気にあの子も速いっ!」
いつの間にか1人増えてるし!何で?何でここまで着いて来るの?!
走っても走っても距離は縮まるだけ。
…誰か、……怖いっ…!
「…はぁ、はぁ…!やっと…捕まえた…!!」
「Σう…ぁっ!!」
けれどそんな願い、誰も受け入れてくれなかったみたいです。
肩にがっしりと掴まってる手がその証拠のようで…。
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