SOUND
肩をがっつり掴まれているのはわかっています。それだけでも怖いのに、力とか入れられるから痛いんです!
なんて言える訳もなく……
「…なんで…お前はっ…!!」
「Σ痛っ…!」
私の肩が悲鳴をあげてる事に気付こうよ!ほんっとに痛い!!
口に出せずにただ我慢するだけで普通は腕とか掴むんじゃないの?えっ、違う?
相手も私も肩を上下に動かし息をする。それは、それ程動き走り回った証拠だったりする。
「…んで逃げやがった!」
下を向いていた相手の顔が上がる。
それは少し汗ばんでいて息がまだ荒い。なのに大きな声で怒鳴りつけてくる。
それが無償に怖くて、なんでと聞かれても……やっぱり怖くて頭が完全に思考停止している。無理です。答えられません。
「てめえ聞いてんのか!!」
「Σご、ごめんな…さっ……!」
あの時注意したのがそんなにいけない事だったの?それとも本当にただのはらいせ?どっちなの。
けどどっちみちこうなる事にはなっていたんだろう。もう謝るしかないじゃんか!
「っ…おいお前!!」
その瞬間に私は目を瞑った。
だって反対の手が上にあがって……えっ、ナニコレ?!殴られるの私?!そんなにいけない事なの?!
怖くて怖くて、だから強く目を瞑った。
「俺は話しを聞いてほしいんだよ!!」
けれど――――来たのは振りかぶった拳ではなくて、そのまま手は私のもう片方の肩をがっしりと固定しただけだった。
反射的に身体がびくりと震える。
次にきたのは不思議な言葉。それはまた頭の上から聞こえてくる。
誰が言ってるの?そんな疑問を抱き上を向いた。
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