SOUND
「…っ……」
上を向いてすぐさま見たのは少し汗ばんでる男子の顔。あの追いかけてきていた奴の顔がもの凄く近くにあった。
真っ直ぐにこっちを見ていて、それはあの夜の時とは全く別人にも見えたりした。
けど、
「………肩、痛いです…」
「………えっ?……Σなっ!わ、悪いっ!!」
両肩負傷するかと思う位強い力で握られててもう限界であった。
その途端に離れた2つの手。私は一歩後ろに下がりこの人と距離をとる。……だって、またあの強い力でどっか掴まれたらたまったもんじゃないし……。
「…で、あのよ……俺の話し………」
「………………。」
「Σいや悪かった!強く掴んだのは悪かったから!!」
「………………。」
「そ、それには深い訳があってだなぁ……とりあえず俺の話しを……」
「………………。」
……何なんだこの人。
さっきと物凄く態度が変わったじゃないか。というか別人?ちょ、色んな意味で怖いんですけど……。
……けれど、あの学校の時に会った感じの怖いや、逃げていた時の怖さがいつの間にか無くなっていた。不思議だ、今は余りこの人に対する恐怖心みたいのが無い。
「………わかりました、」
「………あっ?」
「…だから話し。聞きますんで」
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