SOUND




「本当か?!」



「……嘘ついてどうするんですか、」



「それでも俺はいい!」



「………はぁ…?」



意味がわからん。というか会話が成り立っていないと思うのは私だけ?
この人と言葉のキャッチボールをするのは難しいみたいです。一つ教わりました。


またがっしりと来そうだったので……とりあえずは安全地帯が欲しいものだ。自分ゾーンみたいな?



「その…じゃあまず謝んねえとな……あん時は迷惑かけてすまなかった…」



謝った。見るからに私より年上の、しかも男子が謝った。

その光景が何だかおぞましく感じて私も直ぐに言葉を返す。



「いい、いいんです!私もいきなりあんな事したし…!」



「…いや。あんたは悪くねえよ、俺があんな時間にあいつん家行ってたから……」



「大丈夫ですから!本当にもう大丈夫ですから!!」



わかってくれてんならもう怒る必要なんてない。
こうやって来くんだからもうやんないだろうし……。



…………もう帰りたいし、



「じゃ、じゃあもう暗いし私帰るんで…!」



「あ、送ってこうか?俺が留まらせちまったんだし……」



「いえあの大丈夫です。家近いし」



本当に近い。というかよく此処まで全力疾走出来たと思う。我ながら凄いな……。





………………ん……?




……あれ?


なんだから1人、足りなくない?確か…学校の時にはもう1人居た気がするし…逃げてた時もなんか居たような……。



「…ゼェ…ハァ…!やっ、やっと追いついた…!!」



「「…………あっ…」」






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