SOUND




「……まあ、座れ。」




「………はい……」




向かった先は応接室。何ともベタな、顔が引きつるよ……出さないけどね。


向かいに座った先生。本当に面倒だな…早く本題に入ってよ。
けれど先生は一回ため息をついてそう、それはもったいぶる感じに。



「なんで呼ばれたかわかるか?」




先生は理由がご所望のようです。

けれど残念ながら私はソレを知らない、心当たりがないのです。だから困る。
先生が何を言いたいかなんて私はエスパーだから




「…………わかりません……」



…………なんて、言ってみたいものだ。

けれど言わない。だって相手は教師だ。今の時期に内申点でも引かれたら高校行けなくなってしまう。少しでもいい子っぽく振る舞わないと駄目だ。



もう呼ばれた時点で特に意味ないけどね。



「自覚なし…か……」



「先生教えて下さい。私、何かしたでしょうか?だったら直します」



「んー、直す直さないの問題じゃなくてなーこれがまた」



うぜぇぇぇぇぇぇぇえ。心底うぜぇぇぇぇ。

何だよ言えよ、もったいぶりか?そうなのか?流行るか!馬鹿!!


左手の手で拳をつくりそれに思い切り力を入れて今の自分の心情を安定させようとする。

だから嫌いなんだ、この先生。時計を見れば十分はあっという間に越えていたりする事に気がつく。
この時間が何より無意味だと私はしっかり理解し、そして頭にすりつぶした。




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