SOUND
………あー……もう……。
「すみません遅れました。」
「他の人から話は聞いてるから大丈夫よ。…じゃあ今から入っちゃって」
「はーい…」
ほらやっぱり遅れた。これも先生のせいだ、先生のせいにしてやる。
体育の授業は短距離。みんなもう初めていた。そう言えば今日、記録はかるんだっけか。……最悪だ、こちらと歩くだけで昨日出来た靴擦れがジクジクするのに…。
「ねえねえ、梓っ」
足の痛みに気をとられて、一瞬周りを見ていなかった。その時にクラスメートから声をかけられてハッとする。
なんかにやにや近付いてくる……なんだよ変なの。
「な、なに…?」
「聞いてもいい?梓の彼氏のこと?」
「梓の彼氏って高校生なんでしょ?あんたどこで捕まえたんだよー!」
いや、あの、キミ達もかよ。だいたい予想はついてたけど…ついてたけどこんなにもあっさり出てくるとは思わなかったから少し返答に困る。
なんか、さっきと同じみたい。
いつの間にか周りには数人いて…こう、なんだか押されてるみたいな感じになってしまった。
「ち、違うから!彼氏じゃなくて…」
「うっそだー!もぉ、何恥ずかしがってんのっ。」
「だから本当に違うんだって!!」
「梓顔赤いぞー?イコールそれは本当だという事だ!」
Σチクショウ!あーいえばこーいう!!
そりゃ恥ずかしくもなるだろ?!全然知らない人が彼氏なんて言われて、しかもこんな追い詰められたら!赤くなるしかないだろ?!
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