SOUND
林 尚人(リン ナオト)。
同じ中学に通う生徒の一人であり、
「なぁぁぁぁおとぉぉぉぉ!!」
「…やあ、遅かったね梓。」
幼稚園からここ、中学まで一緒にいる厄介な奴。
やっぱりまだ居た。放課後は何故か終盤までいるのがこの男。
椅子に腰掛けては頬杖をついて此方を見てくるその格好は、とてもうざい。
まるで人を見下してるみたいでとてもうざい。苛立ち+うざい、だ。
「……お前だろ?てかお前しかいない。いや、お前だ。
さっぱり言うと、変な噂流しただろ」
「さあ何の事かな…。人をそうやって疑うのはいけないよ?」
「安心して。お前は人間じゃないから」
「……ふはっ、」
可笑しな笑い方を聞くと、また苛立ちが芽生えた。
椅子から立ち上がり尚人は帰るらしく鞄を持って教室から出ようとした。
「ほら帰るぞ。早く鞄持って来いよ」
「なんであんたの言う事なんか……!」
「学習能力ないなぁお前。
そんなにまた噂たてられたい訳か」
「クレーン車に潰されればいいのに。私はMか」
「つか突っ込まないのかよ、やっぱりお前かー、とか。
……まあいいや。ほら、早くしろよー」
そのまま待つ気がないのかと言いたい位に先へ歩いて行く奴。
仕方ないから教室へ戻り鞄を持って一緒に帰る事にした。
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