SOUND
行動すべし
暑いからなのか汗が出てくる。嫌な汗がそりゃあもうドバッと。
何も聞こえていません、私は何も見ていません。
自分に暗示をかけて足が硬直してしまう前に隣にいる同級生と歩こうとした。
「おーい!君だよね?昨日――――」
「ッツ…!!―――――」
それ以上そんな大声で騒がれて、しかも昨日の事を言われしまったら今度こそ問題になる。
頭の中でこの後の事を考えて危険だと言う事がわかったその瞬間に早足で歩き出した。
さっきまでの会話を聞くまでは間逆の事を話していたが……今はどうやら違うらしい。
手を梓に向けて振っているのともう一人……
原因の種であるあの人物の二人の腕をすぐさま掴んで無理やり連行する梓。
「え、え、え…?」
「ちょっ……おまっ…!!」
いきなりの事に慌てる二人。
先程まで隣にいた尚人もまた、その展開の速さに驚いた。何か口走ろうかと思っていたがその言葉が梓に聞こえる訳なく校門からはもういない。
焦りとそしてどこから現れたのか、それを楽しむかのような笑みを浮かべて彼もまたその方向へと向かう。
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